「自分で考えて動いてほしい」
これは、経営者や上司がよく口にする言葉です。
しかし、社員にとっては、この言葉だけでは動けないことがあります。
なぜなら、考えるためには材料が必要だからです。
1. 考えるには、判断基準が必要
社員に自分で考えてほしいなら、判断基準が必要です。
会社として何を優先するのか。
お客様にどう向き合うのか。
迷ったときに何を基準にするのか。
どの範囲なら自分で決めてよいのか。
これがなければ、社員は考えることができません。
2. 判断基準がないと、社員は上司の正解探しをする
判断基準がない会社では、社員は自分で考えるのではなく、上司の正解を探すようになります。
「社長は何と言うだろう」
「上司はどちらを望んでいるだろう」
「怒られない選択はどれだろう」
これは主体性ではありません。
ただの正解探しです。
3. 自分で考えられる社員を育てるには、問いかけが必要
社員が相談に来たとき、すぐに答えを出すのではなく、
「あなたはどう考えますか?」
「なぜそう思いましたか?」
「会社の方針に照らすと、どちらが良いと思いますか?」
「次に同じことが起きたら、どう判断しますか?」
と問いかける。
これを続けることで、社員は考える力を身につけていきます。
私も以前は、研修で話すときに、一言一句資料を見ないと不安でした。
その状態では、少し質問が来るだけで詰まってしまいます。
なぜなら、言葉を覚えているだけで、全体の構造を理解できていなかったからです。
しかし、全体像を理解できるようになると、資料に頼りきらなくても話せるようになりました。
社員も同じです。
判断基準や全体像が分からないまま、
「自分で考えろ」と言われても動けません。
会社の目的、役割、判断基準が分かるから、自分で考えられるようになります。
「自分で考えろ」は、言葉としては正しいです。
しかし、それだけでは社員は動けません。
必要なのは、
考えるための判断基準
任されている範囲
考える習慣を作る問いかけ
です。
社員が考えないのではなく、
考える材料が渡されていないだけかもしれません。
