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悩み

法律だけでは、
たどり着けない答えがある。

会社で起きる人の問題は、書類や法律だけでは
整理しきれないことがあります。
その奥には、人の感情、家族の歴史、経営者の孤独、
従業員の不安があるからです。

ある夏の日、一本の電話が入りました。

「楠田先生、急ぎで相談があるんですけど、
できれば今日、何時でも良いから来てもらえませんか?」

電話口の社長の声は、いつもより明らかに重く、
切迫していました。私はすぐに予定を確認し、
その日の夕方に会社へ伺うことにしました。

会社を訪問すると、社長は開口一番、こう言われました。

「息子を懲戒解雇したいんです」

正直、耳を疑いました。その息子さんとは、
私も何度かお会いしたことがありました。
社交的で、人当たりもよく、少なくとも私の印象では、
懲戒解雇という言葉とはすぐに結びつかない方でした。

経緯を伺うと、日曜日の配達中に社長が出した指示をめぐり、
親子の間で強い口論になったとのことでした。
会社に戻ってからも衝突は続き、最終的には息子さんが
社長の胸ぐらをつかみ、壁に押しつけたというのです。

「そんなことをする人間は、息子であっても解雇でしょう」

社長の怒りも、奥様の悔しさも、痛いほど伝わってきました。
ただ、私はその場で一気に結論を出すことは止めました。

「お気持ちはよく分かります。ただ、ここで結論を急ぐと、
会社にとっても、ご家族にとっても、取り返しのつかない
形になる可能性があります」

その日は、息子さんをいったん休ませる形で、
今後の対応を落ち着いて考えることになりました。

「もう来なくていい」は、
解雇として受け取られていました。

数週間後、労働局から連絡が入りました。
息子さんから「解雇された。不当解雇ではないか」
という相談が入ったというのです。

社長としては怒りの中で出た言葉だったのかもしれません。
しかし、受け取った側は、それを解雇と受け止めていました。

社長、奥様、私の3人で労働局へ行き、経緯を説明しました。
会社として現時点で解雇する予定はないこと。
ただし、謝罪もないまますぐ復帰させることは難しいこと。
そして、心療内科の受診や治療を条件に、
休職期間を設ける方針を整理しました。

ここで誤解してほしくないのは、社長が息子さんを
突き放したかったわけではないということです。
息子さんのご家族が生活に困らないよう、できる限りの
支援もされていました。それでも、謝罪の言葉はありませんでした。

法律の正しさだけでは、
たどり着けない答えがある。

その後、私は息子さんとも直接お会いしました。
社長がどのような思いで会社を守ってきたのか。
ご家族のことをどう考えているのか。これからどうしたいのか。
何度も話を聞きながら、少しずつ関係性を築いていきました。

しかし、1年が過ぎても謝罪はありませんでした。
私も最後に、腹を決めて伝えました。

「ここまで寄り添ってきたつもりです。
ただ、歩み寄る気持ちがないのであれば、
私が間に入る意味はもうありません」

正直、もう難しいかもしれないと思いました。
ところが翌日、社長から連絡がありました。

「昨日、息子が夫婦で自宅に来て、謝りに来てくれました」

その言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなりました。
社長は続けて、「だから、会社に復帰させます」と言われました。

この件のあと、社長と奥様は会社を息子さんに託して引退されました。
今では第二の人生を楽しまれ、息子さんは経営者として
日々奮闘されています。

悩みの奥にあるものを、
一緒に整理します。

労務問題は、書類や法律だけで解決するものではありません。
そこには必ず、人の感情があります。現場の声があります。
経営者の悩みがあります。

家族だからこそ言えないこと。社員だからこそ飲み込んでいること。
社長だからこそ誰にも相談できずに抱えていること。
私は、そうした声を丁寧に聞きながら、会社が前に進むための
支援をしたいと考えています。

このような悩みを整理します。

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社内では話しにくいことも、
まずは整理するところから。

採用、定着、労務管理、人事制度、社長依存、AI業務改善まで。
現在の課題をお聞きし、必要な支援を一緒に整理します。

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