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  3. 採用できない会社は、面接で応募者に嫌われている

採用できない会社は、面接で応募者に嫌われている

2026 6/11
未分類
2026年6月13日

採用できない原因は、求人票や給与だけではない。
面接で、応募者に「この会社はない」と判断されている。

ここを直視しない会社は、求人媒体を変えても、紹介会社を増やしても、採用は苦しくなる。なぜなら、応募者は面接で会社を見ているからだ。

面接官の態度。
会社説明の薄さ。
質問の雑さ。
社長や管理職の言葉の熱量。
応募者への敬意。

これらすべてが、応募者にとっては「この会社で働く未来」を判断する材料になる。

中小企業の採用で、いまだに多い勘違いがある。

「面接は会社が応募者を選ぶ場だ」
「応募者は入社したいから来ている」
「こちらが見極めればいい」

この考え方のまま面接をしている会社は、もう選ばれない。

ファン化面接の考え方では、面接には2つの位置づけがある。
ひとつは、応募者を見抜く場。
もうひとつは、応募者に会社のファンになってもらう場である。

どれだけ見抜いても、応募者に「この会社に入りたい」と思ってもらえなければ、採用にはつながらない。講座資料でも、「見抜いても、ファン化できなければ意味がない」と整理されている。

ここが、令和の採用面接の出発点になる。


目次

「いい人が来ない」の前に、自社の面接を疑う

想像してほしい。

従業員30名の会社。
社長は人手不足に悩んでいる。
求人広告にお金をかけても応募が少ない。
やっと面接まで来ても、内定を出す前に辞退される。
紹介会社から候補者を出してもらっても、他社に流れる。

社長はこう言う。

「最近の人は根性がない」
「条件ばかり見る」
「中小企業にはなかなか来てくれない」

気持ちはわかる。
しかし、ここで止まると何も変わらない。

応募者は本当に条件だけで辞退したのか。
面接官の第一声はどうだったか。
会社説明は応募者に伝わる言葉だったか。
仕事内容や募集背景を、正直に話したか。
応募者の将来像を聞いたか。
最後に「あなたと働きたい」という意思を伝えたか。

ここを見ないまま、「いい人が来ない」と言っている会社は多い。

厳しい言い方をする。
採用できない会社の中には、応募者不足ではなく、面接力不足の会社がある。


勘違い1 面接は会社が選ぶ場だと思っている

これは古い。

もちろん、会社には採用するかどうかを判断する責任がある。
能力、経験、価値観、健康状態、職務適性、定着可能性を確認する必要がある。ここを甘く見ると、入社後に現場が苦しむ。

ただし、今の面接は会社だけが選ぶ場ではない。
応募者も会社を選んでいる。

面接官が腕を組んで座る。
履歴書を見ながら粗探しをする。
「なぜ辞めたんですか」と詰める。
会社説明は求人票の読み上げだけ。
最後は「結果は後日連絡します」で終了。

この面接を受けた応募者が、入社したいと思うはずがない。

会社側は「普通に面接しただけ」と思っている。
応募者側は「大事にされていない」と感じている。

このズレが、内定辞退を生む。

特に中小企業は、一人の採用が会社に与える影響が大きい。だから「見抜く」ことは重要だ。
しかし、見抜くだけでは足りない。応募者に選ばれなければ、採用は成立しない。

ファン化面接の本質はここにある。
面接は、評価の場であると同時に、動機づけの場である。


勘違い2 応募者は会社のことを知りたくて来ていると思っている

応募者は、会社のことを知りたい。
しかし、知りたいのはパンフレットに書いてある情報ではない。

本当に知りたいのは、こういうことだ。

この会社は、自分をどう扱うのか。
入社後、何を期待されるのか。
社長や上司は、どんな考え方の人なのか。
現場の人間関係はどうなのか。
自分の将来に、この会社はつながるのか。

ところが、多くの会社はここを語らない。

「うちはアットホームです」
「やる気があれば成長できます」
「詳しいことは入ってから覚えてください」

これでは応募者は不安になる。

アットホームとは何か。
誰がどう育てるのか。
最初の1か月で何をするのか。
3か月後にどこまでできればいいのか。
1年後、どんな姿を期待しているのか。

ここまで語らないと、応募者の頭の中に働くイメージは生まれない。

会社説明は、会社の自慢話ではない。
応募者に「ここで働く未来」を見せる時間だ。

ファン化面接では、会社説明・募集背景の説明が重要なステップとして設計されている。仕事内容、募集背景、配属後に期待することを、応募者がイメージできるレベルで伝える必要がある。

曖昧な会社説明は、曖昧な採用を生む。
曖昧な採用は、入社後のミスマッチを生む。


勘違い3 面接官の態度は採用結果にそこまで影響しないと思っている

影響する。
かなり影響する。

応募者は、面接官を通して会社を見ている。
面接官が冷たい会社は、会社全体が冷たく見える。
面接官が雑な会社は、仕事も雑に見える。
面接官が上から目線の会社は、入社後も大事にされない会社に見える。

これは応募者の誤解ではない。
会社側がそう見せている。

面接官は、会社の看板そのものだ。

ところが、現場では面接官教育がほとんどされていない。
社長が自己流で面接している。
管理職が昔の感覚で質問している。
人事担当者が応募者対応を一人で抱えている。
面接の流れも、質問も、会社説明も、最後の締め方も人によってバラバラ。

これで採用力が上がるはずがない。

私自身も、昔は似たような失敗をしていた。
自信のなさを隠すために、言葉や文書でマウントを取るような言動をしていた時期がある。こちらは「ちゃんと伝えている」「専門家として説明している」と思っている。だが、相手から見れば、ただ距離を取られているだけだった。

面接でも同じことが起きる。

面接官が自分を大きく見せようとすると、応募者は本音を出さない。
面接官が正論で固めると、応募者は防御する。
面接官が評価者の顔だけを見せると、応募者は安全な答えしかしなくなる。

応募者の本音を聞きたいなら、まず面接官が人として開く必要がある。

ファン化面接では、面接官の自己紹介が非常に重要なステップになっている。氏名や役職だけでなく、在籍年数、前職、入社動機、現在の役割、仕事への想いまで自己開示する。応募者だけに開示を求めるのではなく、面接官側も開示するから、本音の対話が始まる。


面接で嫌われる会社の共通点

面接で嫌われる会社には、共通点がある。

まず、応募者への敬意が薄い。
来てもらって当たり前、話してもらって当たり前、選ばせてもらって当たり前という空気がある。

次に、会社の言葉がない。
理念はホームページにあるが、面接官の口から語れない。
社長の想いはあるが、応募者に伝わる言葉になっていない。
募集背景も、仕事内容も、入社後の期待もぼんやりしている。

そして、最後に口説かない。
良い人だと思っても、熱意を伝えない。
「ぜひ一緒に働きたい」と言わない。
応募者のビジョンと自社の環境がどうつながるのかを伝えない。

これでは、応募者は他社に行く。

中小企業は、大企業の知名度や待遇に勝てない場面がある。
だからこそ、面接で勝たなければならない。

面接で勝つとは、口先でうまく丸め込むことではない。
応募者の緊張をほぐし、会社の考えを正直に語り、応募者の未来を聞き、自社と合う部分を本気で伝えることだ。


採用面接は、会社の曖昧さが表に出る場所である

面接が弱い会社は、面接だけが弱いのではない。

会社の価値観が曖昧。
求める人物像が曖昧。
入社後の育成が曖昧。
管理職の役割が曖昧。
現場と経営の認識が曖昧。

その曖昧さが、面接の場で応募者に伝わっている。

応募者は敏感だ。
「この会社、言っていることがふわっとしているな」
「入社後、放置されそうだな」
「面接官同士で言っていることが違うな」
「この人たち、本当に採用したいのかな」

こう感じた瞬間、応募者の入社意欲は下がる。

採用は、求人票だけの問題ではない。
採用は、面接官個人の話し方だけの問題でもない。
会社の仕組み、関係性、管理職の姿勢、経営者の言葉の曖昧さが、面接に出る。

だから、面接を変えることは、会社の採用姿勢を変えることになる。


まず変えるべきは、面接の「最初」と「最後」

いきなり完璧な面接を目指す必要はない。
まず変えるべきは、最初と最後だ。

最初に、応募者の緊張をほぐす。
面接の流れを説明する。
面接官が自己紹介をする。
会社の考え方を、自分の言葉で語る。

これだけで、応募者の空気は変わる。

最後に、面接に来てくれたことへ感謝する。
良い人材だと感じたなら、応募者が話したビジョンをもう一度言葉にする。
自社で実現できる理由を伝える。
「ぜひ一緒に働きたい」と言い切る。

この最後の5分を雑にしている会社が多い。

「結果は後日連絡します」だけで終わるのは、事務処理だ。
採用したい人材に対して、それでは弱い。

応募者は、複数の会社を見ている。
最後に熱を持って向き合った会社は、記憶に残る。


採用できない会社は、面接を個人任せにしてはいけない

面接はセンスではない。
技術である。
そして、仕組みにできる。

面接官の自己紹介を作る。
会社説明のシナリオを作る。
応募者のビジョンを聞く質問を用意する。
履歴書の気になる点を、圧迫にならない言い方に変える。
最後のクロージングトークを練習する。
面接後に振り返る。

ここまでやって、初めて面接は改善される。

逆に言えば、これをやらずに「いい人が来ない」と言っているなら、まだ会社側にやるべきことが残っている。

採用難の時代に、応募者を選ぶだけの面接はもう通用しない。
これから必要なのは、見抜きながら、選ばれる面接である。


まとめ

採用できない会社は、求人票や給与条件だけを見直しても限界がある。
面接で応募者に嫌われていれば、内定承諾にはつながらない。

面接は、会社が一方的に選ぶ場ではない。
応募者も会社を選んでいる。

だからこそ、面接官は自己開示し、会社の考えを語り、応募者の未来を聞き、最後に本気で口説く必要がある。

「最近の応募者はすぐ辞退する」と言う前に、自社の面接を見直すべきだ。
応募者が辞退しているのではない。
会社が、面接で選ばれていない可能性がある。

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